フィジカル・コンピューティング(Physical Computing)は、コンピュータにセンサーやアクチュエータ等を接続して、物理的(Physical)な現実世界とコンピュータをつなぐことから生まれる新しい可能性を模索するもの。もともとはニューヨーク大学の教育プログラムとして始まったものが、世界各地の研究・教育機関へ広がり、工学系の初歩教育からデザインやアートのための教育や実験方法としても定着し始めている。
Lincoln School of Art and DesignでのArduinoワークショップの様子
数年前まで、電子工作やマイクロコンピュータのプログラミングは、工学系の教育の中でしか行われていなかったが、インタラクティブアートを含むメディアアート作品に使われはじめたことで、美術系大学でも行われることも多い。この背景には、ArduinoやGainerなどの開発環境が生まれたことが大きく影響している。これらは、コンピュータに接続して比較的簡単にセンサーやアクチュエータを利用できるものであり、インタラクティブアートには欠かせないものになっている。
Lincoln School of Art and DesignでのArduinoワークショップの様子
先に行ったメディア・プログラミング演習では、コンピュータ内だけで完結するものであったが、フィジカルコンピューティングでは、Arduinoとセンサーを使って現実世界の情報をセンシングすることを学ぶ。