2. マイクロコンピュータの開発環境

フィジカルコンピューティング、つまりセンサーやアクチュエータをプログラミングによって制御するためには、何らかのマイクロコンピュータを用いることになる。マイクロコンピュータ(マイコン)には様々なものが存在し、性能や価格を含めて用途に合わせて選択することになる。マイコンの主なもととしては、PIC(下写真)、AVRがあげられる。

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PICには、8bit、16bit、32bitのものが存在するが、電子工作レベルでは8itのものが使われることが多い。AVRは8bitだけのようだ。近年のPCのOSが32bitから64bitに移行していることを見ても性能としては低いものだが、センサーやアクチュエータをコントロールするだけであれば問題ないレベルであり、実際PICに限らずこのようなマイコンが電気製品などに多く使われている。このようなシステムを、組み込みシステムと呼ぶ。

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そして、このマイコン、基板、電子部品を使ってセンサーやアクチュエータを制御する電子回路を開発していくことができる。しかしながら、このような開発を行うためにはプログラムをマイコンに書き込むためのライタの購入、ハンダ付けやプログラミングに関してもある程度の経験が必要になる。アーティストやデザイナーが行いたいのは、開発者になりたいのではなく、あくまでも作品を生み出したいのだ。そこで、もう少し簡単にマイコンを使うことができるようにArduino(下図)やGainerといったものが開発された。

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ここではArduinoを例に解説する。Arduinoはその種類にもよるが、先ほど紹介したマイコンに加えて、動作に必要となる電源部分、PCとの接続のためのUSB、ライタとしての機能、電子部品と接続するためのピンヘッダ等で構成される。上の写真のArduino UNO R3では、マイコンにAVRのATMega328P-PUが採用されている。さらに、Arduinoではプログラムを開発するためのソフトウェアである統合開発環境Arduino IDE(Win、Mac、Linux対応)も公開しており、さまざまなライブラリやサンプルプログラムが用意されているので、Arduinoボードと少しの電子部品さえあれば、すぐに開発をはじめることができる。

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また、Arduinoのようなものは他にも存在し、GainermbedRaspberry PIなどがある。特にArduino Due、mbed、Raspberry PIでは、スマートフォンにも使われているARMが採用されており、CPUの低価格化によって全体的に高性能化の方向に向かっていると言える。Raspberry PIはLinux OSが走るので小型PCと言えるが、直接電子部品とも接続ができる。

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