7. 演習で使用するマイクとXF100との接続方法

AZDEN SGM PD2

AZDEN SGM PD2は、前述のRode VideoMic Proと同様の位置づけの単一指向性コンデンサマイク。カメラシューに取り付けて使う仕様となっている。Rode VideoMic Proは電池駆動のステレオミニ出力であったのに対して、AZDEN SGM PD2では電池なしのキャノン(XLR)端子による接続となり、キャノン端子から供給できるファンタム電源が必要になる。

キャノン(XLR)端子の音声伝送は、RCAコネクタやステレオミニと比較してノイズが乗りにくい伝送方式(バランス接続)となっており、プロの現場では必須のものである。

 

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上図は、ウィンドウスクリーンを装着したSGM PD2をCanon XF100のカメラシューに取り付けた状態。

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上図は、マイクのキャノン端子とCanon XF100の接続部分。

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AZDENSGM PD2をCH1の外部マイクとして使用するためには、Canon XF100の音声入力を上図のように設定。

<CH1>
A(オート)/M(マニュアル):オート(録音に慣れていない場合はオートにしておけば良い)
音声レベル:マイクレベルで+48Vのファンタム電源を使用
INT(内蔵マイク)/EXT(外部マイク):外部XLR端子

<CH2>
A(オート)/M(マニュアル):オート
音声レベル:マイクレベル(外部マイクやステレオミニのマイクを使用しない場合は関係ないはず)
INT(内蔵マイク)/EXT(外部マイク):内蔵マイク

※外部マイクをメインに使う場合でも、保険として内蔵マイクでも録音できる状態にしておく。外部マイクを利用しない場合は、CH1、CH2ともこの設定にしておく。
※Canon XF100では内蔵マイクであってもマイクの感度を設定で変更することができる。

 

SHURE SM63L

SHURE SM63Lはボーカルマイクと同様のダイナミックマイク方式。ダイナミックマイクは音声振動によりマイク内部で起電力を発声させるのでコンデンサマイクのように電源を必要としない。独自の内蔵ショックマウントシステムによりハンドリングノイズを抑えることができ、インタビューアーが手にもって対象に向ける際の必要な長さと携帯性のバランスが絶妙であり、TV局でも使用されるインタビューマイクの定番となっている。

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上図は、Canon XF100との接続部分。SHURE  SM63Lではマイク自体にケーブルはついていないので、別途キャノンケーブル(オス―メス)が必要になる。

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音声入力の設定は、上図のように行う。AZDENSGM PD2と異なり、ファンタム電源が必要ないので注意。

<CH1>
A(オート)/M(マニュアル):オート(録音に慣れていない場合はオートにしておけば良い)
音声レベル:マイクレベル
INT(内蔵マイク)/EXT(外部マイク):外部XLR端子

インタビューの声の明瞭さだけを優先するのであれば、SHUREのSM63Lのようなダイナミックマイクは、撮影現場のBGM等の環境ノイズを軽減することができるので、単一指向性のコンデンサマイクと比較しても優れていると言える。しかしながら、ダイナミックマイクではマイク周辺の音しか拾えないため、対象の口元にマイクを近づける必要があり、対象者自身にマイクを持たせる、もしくはカメラマンの他にマイクを持つスタッフが必要となる。画としてマイクが映りたくない場合は、ピンマイクやブームにガンマイクを準備する必要がある。至近距離でない限り、AZDEN SGM PD2はあくまでも補助として考えるべきだろう。