14. いろいろな映像編集アプリケーション

映像編集ソフトはいくつか存在するが、基本的な映像編集の概念はフィルムやテープ編集の時代から変わらず、カットを時間軸に並べるというもの。デジタル映像編集以前は、カメラや編集機が高価で操作も複雑だったが、コンピュータを使うことによって誰でも簡単に映像編集が行えるようになった。

以下、代表的な映像編集ソフトウェア。

 

Adobe Premiere Pro Win/Mac

映像メディア室に導入されているソフトウェア(映像メディア室はCS5.5)。これ一つで大抵のことはできてしまう。VHSやベータ時代の編集と比べると本当にこれだけで十分。

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Final Cut Pro X Macのみ

まだバージョン7からXに移行する過渡期で、未だに7を使っている人も多いが、もうそろそろシフトしていくと思われる。価格も¥26,000というのだから驚きだ。

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iMovie Macのみ

Mac OS X LionまではOS標準の付属ソフトだったものが、Mountain Lionからは別売りになった。(MarvericksからiMovieだけでなくiPhoto、GarageBand、Pages、Numbers、Keynoteも無料になった。ただし、誰でも無料ではないので注意。)昔話をしても意味ないが、20年ほど前はiMovieと同程度の映像編集をするためには一千万程度の投資が必要だったのだ。そう、今では携帯カメラとiMovieだけで映画は作れるんだよ。冗談ではなく、マイクさえこだわれば問題ない。

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Avid Media Composer Win/Mac

放送局系に導入されていた時期もあったが、今はどうなんだろう。10年前くらいに使ったことはあるが、かなり使いにくかったことを覚えている。放送局仕様のものは、撮影機器や放送機材との親和性が重視されて選択されるので、その辺りの連携機能は充実している。

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Sony Vegas Pro Winのみ

もともとは、ACIDやSound Forgeなどの音声編集ソフトを開発していたSonic Foundryの映像編集ソフトであるVegas Videoの後継ソフトウェア。現在はSonyが販売している。これも10数年前に使ったことがあるが、音声編集機能が優れていたことを覚えている。当時の映像編集ソフトウェアのほとんどが音声編集機能が貧弱で、MA(マルチオーディオ)には別のソフトを使う必要があったが、Vegas Videoではそれが可能であった。現在では他のソフトウェアも音声編集機能が充実しているため、Vegasを使うアドバンテージはあまりないかもしれないが、波形編集のインターフェースはさすがに使いやすい。

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Glass Valley Edius Winのみ

旧Canopusが販売していたもので、私はVersion3.5〜5の頃に使っていた。その頃のEdiusは放送レベルのターンキーシステムでないと不可能であったDVやHDのリアルタイム編集を比較的安価な専用ハードウェアと同時に使うことで可能にし、当時としては費用対効果の大変優れたシステムであったため、ハイアマチュアからプロレベルまで広く浸透していった。現在ではPCの基本性能が向上したことにより、専用のハードウェアを用いなくても前述したものも含めてアプリケーションだけでHD編集が可能になっている。インターフェースはプロダクションの現場の声を取り入れ洗練されており、直感的な操作感に定評がある。

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映像編集ソフトは3DCGソフトと比べてそれほど複雑なものではないため、ソフトウェアを変えることはそれほど難しいものではない。個人で利用する場合は、手持ちのPCにあったものや身近に使っている人がいるという理由で選択しても問題ない。

一方、制作会社などでは、最終出力のワークフローによって機器間の相性や作業の効率が関わってくるので、ソフトウェアの選択は重要になってくるが、それでもテープ編集時代に比べて投資額が安価であり、いくつか利用してみて自分にあったものを探せばよいので選択の自由度は高くなった。